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あの日見上げた空には、星も月もなかった────
中の人

Author:水無月十夜
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30日目仮更新は… 一人パラレルワールド開催のつもりです。
パラレルと言ったらあの人ですね!

ぱんつ!

だがしかし、予定は未定。

====================
多分、幻獣召喚とかは言い出さない。


====================
30日目訓練予定(本更新でも変わらぬ予定)

魔術*4(あと3更新くらいでLV30に)
合成*2
魔力*1(あまりにも低すぎてしょんぼりした)
斧*1


====================
欲を言うと幻術は忘却したい。
3人PTで魔法系である以上、幻術に頼らなくてもちゃんと戦えるはずではある。


====================
上位技能:花火師に期待。
MW2のラジオが花火の好きなおっさんだったので…、という理由で次のオマケにラジオを持ってくるのはしんどいか( ̄¬ ̄)


====================
30日目
魔術LV26(2枠)
斧LV6

31日目
魔術LV28(2枠)


32日目
魔術LV30→禁術LV1

33日目(この辺で遺跡外に脱出?)
禁術LV6以上

34日目(この辺で遺跡外に脱出?)
禁術LV15以下
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鏡の破片を集め
火種を投げ込む


ザワザワと言う耳障りな音を立て
浄玻璃の鏡は瞬く間に蒸発して消えた


長いようで短かった日々
俺とお前はすれ違う様にしか出会えなかったが

お前が戦い続けてくれたから
お前が俺に力を与えてくれたから

俺は…戦い抜く事が出来た


…ありがとう

ロケットスタートはずっと欲しいとか思っているのですが…、やっぱり年末調整次第だよなあと悩む今日この頃。

むしろ、鏡花水月を年末調整の結果次第で考えるべきだったんじゃないかという気もしますが、駄目なら駄目で魔導流術目当てと考えればいいじゃん! みたいな。
凄い駄無。



■ToDo

合成と付加は速やかに頑張る。
合成は生産経験でどうにかなる部分もありますので、異種合成に必要なレベルまである程度上げるまでは訓練。


以下は「なにこの、僕が考えた超人」みたいな今後の成長(妄想)予定。


・まずは可及的速やかに魔術30
 おそらく次々回に27くらいまでいけそうないけなさそうな。
 冷静に考えると遅すぎる。

・そして禁術

・斧10で魔導流術(次の遺跡脱出までが目標)

・幻術15

・幻術15+斧15で鏡花水月(次の次の遺跡脱出までが目標)

・(この辺で風宝玉戦)

・吹矢とかで面白い事をするのか、召喚→幻獣召喚に走るのかの決断を下す
 固い線は光霊で紫電一閃?

・並行して
 描画魔術の処遇
 忍術をLV20にするか
 効果消去をどこまで上げるかを考えておく

・軽業→ロケットスタートは早く覚えたいけれど、鏡花水月の為に斧を15にするまでは技能の空き枠無し

俺が呪いを打ち砕いた瞬間
砕け散った空間 -浄玻璃の鏡- の破片には、無数の虚像が映った


 姉上の胸に抱かれて甘える俺
 葛の葉の外法に手を染める俺
 葛の葉の人間が全て死に絶えた世界、無数の墓標

 祝言の日に、俺の隣で幸せそうに微笑む笙鼓




 兄貴が家族3人連れで仲睦まじく野外にて食事を取る姿
 根黒之御霊と言う禁書の魔力に飲まれる兄貴
 誰も愛さずに孤独に朽ち果てる兄貴
 呪詛



 双子の兄弟として産まれ育ったカレン姉さん
 竜の炎で炭になって果てる姉さんとその仲間達
 子だくさんの家庭を築いた姉さん
 異形と成り果てる姉さん
 心に刺さった棘



 殺し合いをする俺達3人
 そして俺達取って代わる虚像達
 積み重ねられた屍を食い破って咲く彼岸花


紅い
紅い
一面に広がる狂気の花園



そんな無数の異世界 -虚像- を俺は垣間見た


だがしかし、それは浄玻璃の鏡が見せる最後の誘惑
息絶える刹那の足掻き

覚悟を決めた俺はそっと瞳を閉じて呟いた



「ごめん、笙鼓」



音にならない異音を鳴らし、呪いは潰えた
俺達は再びこの地に帰還する


そして、浄玻璃の鏡をこの世から消滅させる最後の仕事に取りかかる為
この山にやってきたんだ

さあ、全てに決着を付けよう
■はじまりの狼煙が上がる■

悲鳴の様な音が響いた。
否、それは「空間の割れる音」だ。

浄玻璃の鏡。
あやしげな呪具と、狐巫女の外法により生じた虚像。
実像の影。
過去を悔やむ気持が生み出した幻像。

現実逃避。


呪いは彼らの心を蝕み、生じた虚像が実像に取って代わる。
闇に堕ちた実像は、己の罪を悔い、そして「自分がいなくとも続く日常」に絶望する。

己の存在を否定する。
それが呪いの完成。

そして狐巫女は、己の妄念の為に、想い人の肉体を、精神を、魂を手に入れる。


彼らの罪、そして自らが科した罰は重く、呪いの完成は確実であった。
だがしかし─


彼らは乗り越えた。
己を否定せずに、受け入れた。
罪に対する罰は、己が死する事ではない。

罪を背負い、罪を忘れず、だがしかし─ 決して罪に潰されない事。

だから、お互いは手を取り。
罪と罰は一つとなった。
実像は虚像を受け入れた。



振り上げろ

その拳を

明日を生きる道を

 ─切り開く為に



■こがれ■

その刹那

闇の中からそれは現れた


ずるり

ずるり

ずるり

べしゃ

ずる

ずる…

ず…



か細い声が聞こえる。

「……ネ」

「キ…ネ」

「キツネ…」

「たすけて」





笙鼓
俺の許嫁だった
優しくて、良い匂いのする奴だった

俺は、笙鼓の事を愛していた

だけど

心の闇に取り込まれ
九尾の眷属として葛の葉を壊滅させたあの夜の引き金を引くも

破壊と暴力に自らも飲み込まれ
恐怖に怯えた俺に見捨てられ

何刻もの間、化け物に全身を犯され

最後には喰い殺された


なのに
その骸は、九尾の闇を注がれて再生し

再び、俺達に仇なす外道と成り果てた


笙鼓
愛しかった人

だけど
今は…





「キツネ… たすけて…」
闇の中から現れた「それ」は、人間のなれの果てだった

ずるり
ずるり

べしゃ

ずるり

それは、右腕と下半身を失った笙鼓が左腕一本で地面を這ってくる音
引きずった臓物が、地面に長い血と腐汁の跡を残す音


「笙鼓」

「キツネ… 痛い…」
縋る様な声で笙鼓が助けを求める

俺は、胸の奥の疼く様な痛みを抑え
笙鼓に手を…



「…駄目ッ!」
声がした
聞き慣れない様で聞き慣れた声

頭上の闇に亀裂が走り
ガラス細工の砕ける様な音

空間が割れた

隙間から眩い光
そして炎

 そこから現れたのは
 俺に似た姿形をして
 何度も夢に現れた

 俺の虚像
 俺の心の闇
 俺がただせない過去に求めた「もしも」

 「もしも」俺が女だったら

 笙鼓を愛さなかった
 狐神社の継承者として「だきに」の力を授かる事もなかった
 姉上を岩倉に送る事もなかった

その「もしも」が人の姿として浄玻璃の鏡に映し出された
それが

「キツネ子…!」

俺の虚像にして心の闇
だがしかし、キツネ子は俺自身


自分の闇を否定したらいけない

弱さを知るからこそ

人に優しくなれる
人に優しくされた温かさがわかる

だから強くなろうとする
強くなれる

そうだ
俺はどこで間違ってしまったんだろう
あの晩から俺は感情を捨てた

他人なんて、いつかいなくなるだけの連れ合いだと思っていた
この島に来てから俺は知った

やさしさ
つよさ
よわさ

なかま
かぞく

こころ

いたみ

しあわせ

あしたがくること
明日は、単なる今日の繰り返しじゃない事

だから…
だから!





「来い、キツネ子! 俺が捨ててしまった過去の罪よ!」
「うん…キツネ! 今こそ私達は一つに!」

「「本当の強さを知る者になろう!!」」


俺達は手をつなぎ合わせた
手の平が熱い
燃える様に

2つの鼓動が一つに重なり
キツネ子の姿は俺の中に溶けて消える


影がないなら光もない
光があるから影がある

握った手の平の中
閉じた目蓋の裏
どこにだって影はある

弱さを知るからこそ、人は強くなれる
ムルシドの兄貴もカレン姉さんも…

みんなそれを乗り越えたんだ





「笙鼓… これで終わりにしよう!」
俺は渾身の力を込めた手刀で空間を突いた





音のない音
聞こえない悲鳴

浄玻璃の鏡が練り上げた
鏡の呪い

それを木っ端微塵に砕いた





眩しい光と
濃密な闇が
攪拌されたかの様に渦を巻いて
爆ぜた





閉じた瞳を空けた時
そこにはもう笙鼓はいなかった
どうなったかはわからないが、いくらの九尾の眷属とてあの傷では決して無事ではすまないだろう





そして、眩しい朝日が差す方向には
懐かしい2人がいた

そして俺の心の中には、もう1人の俺がいる
いつまでも
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